イギリスを拠点に、48ヵ国と地域で化粧品を展開しているラッシュ(LUSH)と、イギリスの消費者団体であるエシカルコンシューマー・リサーチアソシエーション(Ethical Consumer Research Association)が、「ラッシュ・プライズ2020(Lush Prize 2020)」の応募受付を開始した。

2012年、ラッシュ(LUSH)とエシカルコンシューマー・リサーチ(Ethical Consumer Research Association)が共同で設立した「ラッシュ・プライズ(Lush Prize)」は、動物実験に頼らない研究開発支援や、動物実験の廃止に向けた活動を推進することを目的にした賞。1R(※)にフォーカスしている唯一の賞で、今回が8回目の開催となる。
※ 1Rとは、動物実験の基準についての理念として3R(「Replacement(代替)」「Reduction(削減)」「Refinement(改善)」)が掲げられており、「ラッシュ・プライズ(Lush Prize)」では、動物を使用しない実験方法への転換を意味する「Replacement」のみを評価している。

同プライズは、大きく「世論喚起部門」「サイエンス部門」「トレーニング部門」「ロビー活動部門」「若手研究者部門」の5分野に分けられ、個人や団体に毎年最大総額£25万(約¥3,500万)が授与される。また、2020年度には、新たな賞として「世論喚起キャンペーン活動」のなかから、「未来賞」も設けられる予定だ。
受賞は、中国や、ケニヤ、イラン、ウクライナ、インド、ニュージーランド、ブラジル、アメリカ、そして12のヨーロッパ諸国といった、多種多様な国々の研究者と団体を支援するグローバルな規模を誇る。2012年の設立以降、世界で活動する95の個人や団体、機関に対して総額£200万(約¥2億8000万)以上の賞金が贈られた。
「ラッシュ・プライズ(Lush Prize)」は、毒性学(化学薬品実験)研究における動物の使用に対する問題解決を目的として実施されている。人工の目がまばたきする新技術「Eye on chip(眼機能チップ)」のペンシルバニア大学教授が、サイエンス部門受賞に輝いたが、この技術が、一般に眼刺激性試験に多く使われるうさぎの代替になれば、大きなインパクトをもたらすといわれている。
また 、2018年度では、2016年より新設されたアジア地域を対象とした「若手研究者部門アジア」において、同部門としては3回目の日本からの受賞者、国立研究開発法人理化学研究所の年本広太氏が賞を手にした。
「Be Cruelty-Free(クルエルティフリー)」のメッセージを広めるラッシュ(LUSH)の世界最大規模の基金「ラッシュ・プライズ(Lush Prize)」により、人々が動物実験の実態に触れる機会が増えることになるであろう。
「ラッシュ・プライズ2020(Lush Prize 2020)」応募期間、及び応募後のスケジュール:2019年 9月 9日 応募受付開始
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