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羽毛採取の現実と、ダウンフリーにこだわるセイブ・ザ・ダック。

羽毛採取の現実と、ダウンフリーにこだわるセイブ・ザ・ダック。

昨年11月の英エリザベス女王が今後リアルファーを新調しないとしたイギリス王室の声明は記憶に新しいが、道徳的観点から毛皮やエキゾチック・スキンの使用・販売を禁止するブランドは、増加の傾向にある。一方で、レザーやダウン、フェザーといった羽素材採取の背景はまだ可視化されていない。そんななかイタリア発のブランド、セイブ・ザ・ダック(SAVE THE DUCK)は、なぜダウンフリーにこだわるのか。
セイブ・ザ・ダック(SAVE THE DUCK)、サステナブル、ダウンジャケット、ダウンフリー
Photo by Instagram/@save_the_duck/Save The Duck

2018年頃から、バーバリー (BURBERRY)やベルサーチ(VERSACE)、プラダ(PRADA)、グッチ(GUCCI)といった人気ブランドが、次々に毛皮(リアルファー)の使用を廃止してきた。昨年9月にはアメリカ初の州として、カリフォルニア州が2023年1月1日以降の毛皮製品の販売を禁止する条例にサインをした。

近年、セレブや王室一族がリアルファーを纏う姿は減り、ファッション界ではファーの着用が社会&環境倫理に反しているという認識が広まっている。一方で、フェザーやダウンの生産・採取背景に注目が集まることは少なく、ダウンジャケットや羽毛布団の需要は高まっている。2019年度「Industry Research Report」のレポートによると、ダウン&フェザーの市場は2025年まで伸びる傾向にある。

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その理由について、PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)は「世界の市場に出回っている80%のダウン(中国産)は生きた鳥から約6週間おきにむしりとられているが、顧客はダウンおよびフェザー業界で起こっている残酷な背景を未だ認識していないから」だという。

セイブ・ザ・ダック(SAVE THE DUCK)、サステナブル、ダウンジャケット、ダウンフリー
Photo by Instagram/@save_the_duck/Save The Duck

フェザーとはグース(ガチョウ)やダック(アヒル)などの水鳥の羽根で、ダウンは一般的に水鳥の胸に生えている羽毛を指す。ダウンは、軽量で温かく、吸湿発散性に優れているため、布団やジャケットの中綿として広く利用されており、モンクレール(MONCLER)や、カナダグース(CANADA GOOSE)といったブランドは世界的な人気を誇っている。

ダウンとフェザーの産地は中国やハンガリーが中心で、生きた鳥から羽をむしる「ライブハンドプラッキング」という採取方法が取られることが多く、動物愛護団体から問題視されてきた。以前PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)が公開したライブハンドプラッキングの映像には、ダウン採取現場での残酷な背景が映し出された。

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そのため、羽毛・羽根素材の倫理的な調達が求められているが、現実的には難しいという。例えば、H&Mなど、レスポンシブル・ダウン・スタンダード(RDS)認証を得たダウンの使用を公言してるブランドもあるが、動物保護団体の調査によると、認証を得ているダウン生産農家でも「ライブハンドプラッキング」が行われていたことが明らかになっている。

セイブ・ザ・ダック(SAVE THE DUCK)、サステナブル、ダウンジャケット、ダウンフリー
セイブ・ザ・ダック(SAVE THE DUCK)

もちろん、パタゴニア(PATAGONIA)をはじめ、リサイクルダウンや、非動物由来の素材、化学繊維を元にした代替素材を使用しているブランドも存在する。イタリア発のセイブ・ザ・ダック(SAVE THE DUCK)は、羽毛を一切使用しない「ダウンフリー」を徹底しているブランドのひとつだ。

2012年、ニコラス・バルギ(Nicolas Bargi)によってスタートした同ブランドは、動物・人・環境に優しいアイテムを製作することを目的としている。ダウン製品のために犠牲になっている鳥を救うため、羽毛の代替素材としてポリエステルの中綿であるPLUMTECH®と、ポリエステルをリサイクルしたRECYCLED PLUMTECH®を詰めたアウターのコレクションを発表している。同素材を用いたジャケットは、着用時の暖かさや、柔らかさ、そして軽量感がグースダウンのジャケットそのものだ。

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セイブ・ザ・ダック(SAVE THE DUCK)、サステナブル、ダウンジャケット、ダウンフリー
Photo by Instagram/@save_the_duck/Save The Duck

原料となる素材は、リサイクルされたものやテクノロジーを駆使した持続可能なもの。また、ドライクリーニングがもたらす環境負荷を懸念し、ウェアの表面に付着した汚れは洗剤や水で洗い落とすことができ、必要な際には洗濯機での洗濯が可能となっている。

現在、セイブ・ザ・ダック(SAVE THE DUCK)では、レディース、メンズ、キッズウェア、そしてシューズやビーニーなどのアクセを取り揃えており、カラーバリエーションも豊富で、ヨーロッパを中心に人気沸騰中。ダウンの使用が問題視されるであろう近い将来、更なる注目を集めるブランドになるといえる。

セイブ・ザ・ダック(SAVE THE DUCK)
WEB: www.savetheduck.it




Photos by Instagram/@save_the_duck/Save The Duck

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