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伝統的な織物+プリントを再解釈するMATTER。

伝統的な織物+プリントを再解釈するMATTER。

アジア各国の農村や、へき地に住む職人の伝統的な織物技術やプリントの手法を伝える活動に力を入れているマター(MATTER)現地のテキスタイルを現代的に再解釈することで、伝統技術を絶やすことなく持続可能にすることを目的としている。そんな彼らの活動とは!?

「職人が手がけるテキスタイルのひとつひとつには物語がある」 

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インド、ラジャスタン原産の繊維“Aakh”は、栽培過程で水を必要としない。© MATTER

2014年にシンガポールで設立されたマター(MATTER)のビジネスモデルは、トレンドを追うのではなく、長年培われてきた天然の染料を用いて仕上げられた伝統的なテキスタイルを提供するというものだ。

アパレル産業の機械化や、ファストファッションの世界的ブームにより、伝統的な職人技を落とし込んだアイテムの需要は減ってきている。そこで、インドやインドネシアの文化遺産ともいうべき職人の技を継承するための活動を行っている。

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優先しているのは、デザイナーと職人のコラボレーションを促進することや、原産地で行われるプロセスの価値を伝えること。「ファストファッションとは対抗的に、職人が手がけるテキスタイルのひとつひとつには物語があるため、へき地や田舎で暮らす織物職人らの技を開拓し、ファッション界に展開していきたい」という。

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イカットを織る過程。© MATTER

それは、伝統保全という目的を達成するために技術を保護する保守的な立場ではなく、現代社会に対応するための持続可能な変革が必要であると考えているそう。デジタルおよび機械的プロセスを取り入れることにより、手作りの価値をより効率的に、そしてより多くの人に伝えることができるからだ。

例えば、インドネシア伝統の絣布、イカット(かすり織物)の糸は、手で紡ぎ、染められているが、機械で織られる。単調な製織の過程が排除されることにより、密度が高く、耐久性に優れた織物を提供することが可能になる。それと同時に、柄をデザインする上で最も重要な結束・染色に必要な卓越したスキルと経験的知識は保持される。

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インドネシア伝統の絣布、イカット。© MATTER

ハイブリッドサプライチェーンモデルとは!?

ローカルな工芸技術が繁栄するためには、市場へのアクセスを生み出すネットワークを構築する必要がある。そこで取り入れられているのが、ハイブリッドサプライチェーンモデルだ。ハイブリッドサプライチェーンモデルとは、生地からウェアが作られるまでのデザインプロセスに、モダンなアプローチを加えることで伝統を守るというもの。

すべての生地は、職人らの手によって限定された量を伝統的な生産方法をベースに作り上げられ、最終的な衣服縫製は、国際的に認められたコンプライアンス基準に準拠した公正な工場で行われる。伝統的な農村の職人技と近代的な市場のデザイン原則を組み合わせているため、同製造プロセスをハイブリッドと呼んでいるそうだ。

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ブロックプリントの木版を削る職人。© MATTER

マター(MATTER)が連携しているのは、主にインドやインドネシアといったアジア各地の職人たち。例えば、インドの伝統的な染色技法であるブロックプリントは、インドのジャイプルで行われている。ジャイプルは、ブロックプリントの産地として知られているが、マター(MATTER)では、多数の生産スタジオを訪れ、絵柄に隠された意味合いを知る希少な職人を探し求めた。その結果、ブロックプリントの五代目職人クシラム(Khushiram)と提携しており、シンガポールでワークショップなども行っているそうだ。

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木版でプリントを施す作業は、すべてて手作業。© MATTER

ブロックプリントは、220年頃の中国で使用が開始されたといわれており、伝統的な絵柄にはそれぞれ意味がある。布にプリントを施すための木材ブロックが、後に仏教の文書を複製するために取り入れられ、世界に広まったといわれおり、その技術は日本、インド、東アジア、中央アジア、エジプト、そしてヨーロッパでも発見されている。

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ブロックプリントでデザインされた布地。© MATTER

量より質の精神を忘れずに。

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© MATTER

今年、カーダシアン家の長女コートニー・カーダシアンが運営するライフスタイルサイト「Poosh(プーシュ)」のローンチに、インドの職人と密接な協力体制の元、カディ(Khadi)などの伝統的なテキスタイルを使用したコレクションを発表しているブランド、ボディス・スタジオ(BODICE STUDIO)がゲスト登場したことで話題になった。カディ(Khadi)はインド独立の父、マハトマ・ガンジーが独立運動の際に、紡車を手まわして布を織るカーディ(手織綿布)運動をしたことで知られる。

また、『BOF』誌では、「コートニーだけでなく、リーバイス(LEVI’S®)や、アンソロポロジー(Anthropologie’s)イッセイ・ミヤケ(ISSEY MIYAKE)などのブランドもカディ(Khadi)を使用しており、これからも他のブランドが職人技に着目し、そこに大きなビジネスチャンスが存在する」と伝えた。このように、職人技術を用いたフェアなファッションが注目されるなか、伝統的で安定した最高品質の製品を届けるマター(MATTER)の今後の活動から目が離せない。

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© MATTER



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www.shop.matterprints.com/
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